飲食店 在庫管理が資金繰りを左右する?現金不足を防ぐ新習慣とは

この記事の最終更新日:令和7年8月4日

「棚卸は毎月末にやってください」とお願いしているのには、ちゃんと理由があります。
試算表作成のため、という表向きの理由もありますが、本当の狙いは、毎月しっかり振り返ることで、ムダに気づいてもらうためです。

実は、棚卸の頻度が高いお店ほどお金に困らないという共通点があります。
一方で「(税理士にうるさく)言われるから、棚卸はしてるけど、お金は残ってないよ!」というお店が多いのも事実です。

つまり、棚卸をしているのに、お金が残るお店とお金が残らないお店が存在する訳です。
どうして、こんなことになるのでしょうか。
せっかく棚卸をするのなら、あなたも、お金が残るお店のグループに入りたいですよね。

今日は、その『違い』についてお伝えします。
実はその『違い』は、棚卸が正しくできているか、否か。にあったのです。

では、どうやって《正しい棚卸》を行えばいいのかを、順を追って紹介していきます。
読みながら、「これならできそう」と思ったところから、ぜひ取り入れてみてください。

この記事で
「棚卸」とは、使われずに店内に残っている棚卸(品)を金額換算して拾い上げる一連の作業を指します。
以降、棚卸(品)のことを、「在庫」と呼びます。

《正しい棚卸》は、食材だけでなく、紙ナプキン、ストロー、包材、予備の食器など、 購入したのに売上に貢献していない全ての在庫について残量を拾出す行為を指します。

経理上は「貯蔵品」と分類されるモノもありますが、ここではまとめて「在庫」と表記しています。

資金繰りを改善したかったら「お金の塩漬け」を見つける!

「ちゃんと棚卸してるのに、お金がない」という方。
その多くは、拾っている品目が少なすぎます。

税金の計算をする上では、在庫は少ない方が節税効果があるとされています。

でも、お金が残らなくってその原因を知りたいなら、正しい範囲の在庫を拾い、金額換算しなくては意味がありません
在庫を過小評価するのは、原因がわかりそうなのに、自らその原因を見ないように蓋をしているようなものです。

在庫は多い、少ないの問題ではありません。
拾うべきモノを拾って金額に換算することに、棚卸の意味があるのです。

在庫が多いということは、「お金を払ったのに、まだ売上に貢献していないモノ」が多いことを意味しているにすぎません。
そしてこれを、「お金の塩漬け」と呼びます。

資金繰りの改善の一番の近道は、この「お金の塩漬け」を見つけて、解消することです。

「お金の塩漬け」の解消方法は

  • 新規の買い物を控え、棚卸量を減らす
  • 売掛金(キャッシュレスによる売上金)を早期に回収するetc

他にもありますが、棚卸量を減らすことから始めましょう。
そのためはまず、正しい範囲の棚卸を実施することが必須です。
《正しい棚卸》を実施したうえで、適正量を探っていきましょう。

あなたのお店の棚卸量は、適正ですか?

「うちの棚卸って多いの?少ないの?」と気になったら、次の計算式でチェックしてみましょう。

【棚卸量(売上何日分)=(当月末棚卸高 ÷ 原価率)÷(売上 ÷ 営業日数)】

例えば

  • 当月末棚卸高:525,000円
  • 原価率:0.35
  • 売上:11,250,000円
  • 営業日数:30日

この場合は「4日分」となり、飲食店で理想とされる「3~5日分」に収まっているので当面の問題はなさそうです。

6日分を超えたら要注意!放置すればこうなる

棚卸量が6日分を超える状態が続くと、いわゆる「過剰在庫」となり、以下のようなリスクが出てきます。

  • お金が在庫に姿を換えたっきり、戻ってこない
  • 賞味期限切れで廃棄 → お金を捨てることと同じこと
  • 倉庫がパンパンで、もう一つ倉庫を借りることになる

肝に銘じておいて欲しいのは、過剰在庫=未収入金の塊ということです。

棚卸って、一見「残り物」ですが、その正体はお金です。
しかも、劣化して腐ったら破棄しますよね。
それってお金をドブに捨てるのと同じ意味なんですよ!

実践事例:棚を減らすだけで資金繰りも動線も改善!

ある飲食店では、棚卸量が6日分以上が常態化していました。

原因を探ると、買った食材の使い忘れや重複購入が多く、管理もできていない状態でした。
対策として行ったのは、「棚そのものを減らす」というシンプルな方法。

反対意見もありましたが、結果は以下の通り。

  • 欠品は一切発生せず
  • 棚が減ったことで、動線がスムーズに
  • 買いすぎがなくなり、資金繰りが改善

よくある失敗:「お得なつもり」が過剰在庫のもと

「1個1000円だけど、2個で1500円!」っていう仕入れ、ついつい2個買っちゃいませんか?

でも、2個目はいつ使いますか?
もし1ヶ月後だったら、すでに劣化している可能性がありますし、使う前に破棄されることも・・・。

結果的に、少し割高でも「必要な時に必要な量だけ買う」方が、資金繰りには◎です。

飲食店の在庫管理をラクにする3つの工夫

  1. 食材の『指定席』をつくる
     → マグネットや仕切りで、置き場を固定し、誤発注を防止
  2. 容量の見直し
     → 業務用にこだわらず、小分けサイズにして廃棄リスクを減らす
  3. 空いてる場所にモノを置かないルール
     → 一時置きのクセが、欠品や在庫過多の元になります

食材管理のルールについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

売上あるのにお金が残らない?長期休暇前に資金繰り改善の準備をしよう!

売上があるのにお金が残らない飲食店必見。長期休暇前こそ、飲食店の棚卸しを整理して、現金を増やすチャンス。ステップを追ってご紹介。

棚卸は「経営力の筋トレ」月1の習慣で資金繰りが変わる!

正しい棚卸を実施することは、売上を増やすことよりも早く、資金繰りの改善に効果を発揮します。
最初は面倒かもしれませんが、やればやるほど「体感的に判る」ようになります。

ぜひ、毎月末に棚卸をルーティン化してください。
それだけで、お金の流れがガラリと変わります。

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