令和6年分 確定申告のやり方とポイント【飲食店経営者向け】

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この記事の最終更新日:令和6年11月5日

※「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」(賃上げ促進税制)についても記載しています。

 令和6年4月1日より施行される定額減税については、書式が公表され次第対応します。

令和6年分の確定申告の時期が近づいてきました。

今年も、飲食店経営者の皆様がスムーズに申告を進められるように
基本的な流れから
節税対策まで網羅した内容でお届けします。

特に、今年の「定額減税」と「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」(賃上げ促進税制)についても、確認していきますので、ぜひ参考にしてください。

申告が必要な方と基本の流れ

飲食店を営んでいる方は
売上が一定額を超えた場合や青色申告を選んでいる場合には
確定申告が必要です。

申告は所得税や住民税を正確に申告するための重要な手続きで
正しく行うことで過剰な納税を防ぎ
還付金も確実に受け取れます。

収入と経費の計上方法:青色申告と白色申告の違い

確定申告には青色申告と白色申告があり、飲食店経営には節税メリットが多い青色申告がおすすめです。

特に電子申告を活用すると65万円の控除が受けられるので、経営が安定している方や節税を目指す方は検討してみましょう。

令和6年分の減税・控除の概要

定額減税の適用と計算方法

令和6年分には、配偶者や扶養親族の人数に応じた「定額減税」が適用されます。

具体的には、「3万円 × (1+扶養家族の数)」を減税額として計算できるため
家族の人数を確認しながら申告書に反映させましょう。

控除条件や計算方法に関しては、必要に応じて税理士にも相談すると確実です。

申告書への記載方法などはまだ発表されていません。
判り次第、追記します。

税務署から送られてくるお知らせは保存しておく

今年は、予定納税の段階で既に定額減税を受けている可能性があります。

その為、第1期と第2期の予定納税額が同額ではない可能性があるので
年明けに送られてくる「確定申告等についてのお知らせ」は紛失しないようにしましょう。

給与等の増加で適用できる「所得税の特別控除」

飲食店経営者が特に注目すべきは、従業員の給与を増加させた場合に適用できる「所得税の特別控除」です。

給与を前年より1.5%以上増額した場合に対象となり
控除額が税額から引かれるため
冬のボーナス等で支給額を調整することで
大きな節税効果が見込めます。

計算明細書の添付は必要ですが
事前届出は不要なので
該当する場合はぜひ活用しましょう。

「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」について
詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

冬のボーナスで節税!「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」のポイント解説【簡易判定表付き】

冬のボーナスを活用した所得税の特別控除ガイド。給与増加で税負担を軽減するための判定表と具体例で、飲食店などの経営者にもわかりやすく解説します!

節税ポイント:経費計上と減価償却

経費の計上漏れに注意

飲食店経営では、食材の仕入れや光熱費、宣伝費など多くの経費がかかります。
これらはすべて節税に役立つ経費として計上できます。
漏れがないように、定期的に帳簿をチェックし、
会計ソフトなども上手に活用していきましょう。

減価償却の仕方で節税効果を得る

固定資産に関しては
耐用年数に応じた減価償却を行うか
一括で経費計上するか
を選ぶことができます。

取得年の利益や翌年度以降の収支状況も踏まえて計上方法を選ぶと
より有効な節税につながります。

ありがちなミスを防ぐためのチェックポイント

よくある申告ミス

飲食店経営者が陥りやすいミスには
賄いやキャッシュレス売上の計上漏れ
帳簿への未記入などがあります。

記入漏れに気付いた場合は
申告期限内であれば再提出が可能なので
期限内の再確認を徹底しましょう。

税務署の限界を知る:正確な情報提供を

税務署の電話相談は便利ですが、必要な条件を細かく伝えないと
誤ったアドバイスを受けることがあります。

例えば、配偶者控除と専従者給与の適用に関して質問する際も
状況を正確に伝えることが重要です。

納税や控除について不安がある場合は
やはり専門家のサポートが心強いでしょう。

税務署に聞いても、正しい回答が得られないことがある

以前、ある経営者の確定申告書を見せてもらったところ
奥様の青色事業専従者給与と、配偶者控除の二重控除が適用されていました。
「重複適用はできませんよ。」と、お伝えすると
「税務署に聞きましたよ。」と怪訝な顔をされました。

「税務署に聞くときに、なんと質問しましたか?」と、聞くと
「主人の経理を手伝っています。配偶者控除は受けられますか?」と質問したそうです。

そう聞かれれば、税務署は
「受けられますよ。」と答えるでしょう。

大事な条件が伝えられていなかったのが、間違いのもとです。
「主人の経理を手伝っています。お給料をもらっていますが、配偶者控除は受けられますか?」と質問しなければいけませんでした。

質問者に悪意はなかったけど、大事な条件を伝え忘れたために
間違った指導がなされたというケースです。
こういった話を聞くたびに、電話相談の限界を感じます。

ちなみに、このケースの場合、税務署が間違いに気付けば、即、追徴課税されます。
その時に「税務署で確認した。」と言っても、一切考慮はされません。

税理士に頼むべきか?飲食店経営における専門家の活用

税務や申告の手続きを自分で行うか、税理士に頼むべきか
迷われる方も多いでしょう。

税理士に依頼するメリットは
確定申告を効率的に進めるだけでなく
専門的な節税アドバイスや
必要書類の整備を任せられることです。

申告作業に不安がある場合や
時間を効率的に使いたい場合には
税理士に相談することも検討してみましょう。

以上が、令和6年分の確定申告に向けた飲食店経営者のためのガイドです。

今年の税制を理解し、申告準備を進めることで
過剰な税負担を回避し、正確な申告を行いましょう。