数字が苦手でもOK!堅実な飲食店経営者が守る3つの習慣とは?

今まで、多くの飲食店経営者さんを見てきて、お金が残るお店の経営者さんには共通する習慣というか行動パターンがあるなぁ。と感じています。
この記事では、お金が残るお店の経営者さんがフツーにやっていて、お金が残らないお店の経営者さんがやっていないことをお伝えします。
事業用の通帳は3つ以内にする

通帳をいくつも持っていると、どこで何が引き落とされるのかが分かりづらく、資金の流れが見えにくくなります。
お金が残るお店の経営者は、事業用の通帳の数を3つ以内に絞っています。
私がおすすめしている口座構成は次の通りです
- 【基本口座】:お店から一番近い支店で、現金売上の入金・各種引き落としをまとめる、メイン口座
- 【納税用口座】:基本口座と同じ支店で、消費税・所得税など納税のための資金をプールしておく、納税専用口座
- 【振込専用口座】:取引先への対応として必要な場合のみ使用。基本口座で兼用できるなら不要
ここでお伝えしたいのは、「口座は増やさないことが、管理のコツ」だという点です。
「取引先が別口座を希望してくるから・・・」と、新しい口座を作る方もいらっしゃいますが、それはおすすめしません。
なぜなら、複数口座に入金があると、資金の把握・管理・振替の手間が口座の数だけ発生してしまうからです。
その手間を根本的に失くすために、振込手数料はこちらで負担してでも、入金は一つの口座にまとめる。
これを徹底することが、結果的に経営者自身の時間もお金も守ってくれます。
「まずは通帳の整理をしよう!」と、思い立ったあなたへ
通帳の整理は急がないでください!
「年払いの保険料」「自治体からの自動引き落とし」など、イレギュラーな支払が存在するものです。
思い当たる限り引き落とし口座の変更を済ませた後も、1年くらいは通帳を生かしておかないと、引き落としエラーが起き、取引先や行政とのトラブルにつながりかねません。
「通帳は1年かけて計画的に整理する」ことが理想です。
現金売上は、同額を通帳に預入れ
現金売上は、どうしても記録や帳簿上の管理が煩雑になりがちです。
お金が残るお店の経営者は、売上金と同額を、通帳に預け入れる習慣を持っています。
大切なのは、ただ入金するだけでなく、「その金額がいつの売上か」が分かるように記録しておくことです。
具体的には、通帳の空いている欄に「○月○日」と手書きで書いておくだけでOK。
こうすることで、帳簿との突合がスムーズにでき、「いつ・いくら売れたのか」が自分の目でも把握できるようになります。
極端な話、1,000円を入金しても意味がありません。
中途半端な入金は、管理ミスの原因にもなります。
あくまでも「実際の売上と同じ金額を入金し、意味が分かる形で記録する」ことが肝心です。
面倒なことも『仕事』と割り切って習慣にする

帳簿記入、領収書の整理、月末の集計。
どれも面倒ですよね。
けれど、お金が残るお店の経営者は、こうした『地味な作業』を『仕事』と割り切って、ルーティンにしています。
「数字が苦手だから後回し」
「閉店後は疲れてやる気が出ない」
こうした気持ちは、誰にでもあります。
ですが、あえて「これは仕事だから」と決めてしまうことで、気持ちの切り替えもスムーズになります。
おすすめの方法は
- 毎週決まった曜日に帳簿を記入する時間を取る
- レジ締め後に5分だけ数字を確認する習慣をつくる
- 検算や残高確認をルール化し、負担なく続ける
日々の数字に触れていくことで、自然と「違和感」に気づく力がついてきます。
「なぜ今月は少ない?」
「あれ、支払いが多い?」
と気づけるようになれば、それがそのまま『経営改善のきっかけ』になります。
3つの習慣の極意
その1 やらなくて良い作業は、多少の資金負担が発生しても「やらない」
その2 やらなくてはいけないことは、簡単に済ませる方法を考えてor手伝ってくれる人を巻き込んで「継続する」
要は、継続する事と止める事を、あなたのお店の基準で決められるかです。
今日からできる!第一歩のヒント
- 今、使っている通帳をすべて出して、引き落とし内容を1枚の紙にまとめてみましょう
- 現金売上の記録を「何日の売上なのか」とセットで通帳に書き込む習慣を始めましょう
- 週1回、数字を見返す『自分だけの時間』を、10分作ってみましょう
全てを一斉に始める必要はありません。
「出来そうなものはどれか?」を考えるところからで大丈夫です。
信頼できるスタッフがいれば、ドンドン手伝ってもらいましょう!
完璧を目指さず「まず、始めること」が、明るい未来への一歩につながります。
「面倒臭い!」と思った方へ

3つの習慣を知って「面倒臭い」と思った方もいるでしょう。
でも、この「面倒臭い」こそ、金のなる木が育つか育たないかの試金石です。
「面倒臭い」からやらない。か
「面倒臭い」けどお金のためにやる。か
これが究極の分かれ道です。
あの、宮崎駿監督も「大切なことは、だいたい面倒くさい。」と言ってます。
「面倒臭い」と思った自分に気が付いたら、お金が残るチャンス到来!と思ってやってみる。
それを繰り返しているうちに
「このお店があれば大丈夫」と思えるような、頼れるお店に育ちます。
あなたにもできます。
まだ、間に合います。
将来への備えも、経営改善も、いきなり劇的に変わることはありません。
日々の小さな積み重ねが、お金が残る体質を作ります。
「やらなくてはいけないことを、簡単な済ませる方法が思いつかない」
「継続する事と止める事が決められない」
そんな方は、ぜひ一度、弊所までご相談ください。