私は、飲食店経営で大切なのは「続けること」だと思っています。

もちろん、売上や利益も大切です。
しかし、どれだけ帳簿上の利益が出ていても、手元にお金が残っていなければ、お店を守ることはできません。

だから私は、数字の力でお金の流れを整え、一軒でも多くのお店に長く営業を続けてほしいと願っています。

ここでは、私が考える「お金が残る飲食店経営」についてお話しします。

飲食店経営で私が大切にしていること

飲食店経営の話になると、どうしても「売上アップ」や「集客」の話題が中心になりがちです。
もちろん、どちらも店舗を維持するためには欠かせません。

しかし私は、それ以上に「お客様に喜んでいただけるお店を、1年でも長く続けること」に本質的な価値があると考えています。

今の時代、飲食店の現場は本当に過酷です。

  • 食材や仕入価格の高騰
  • 深刻な人手不足
  • 家賃や光熱費の上昇

こうした激しい時代の変化に対応しながら、毎日お店を開け、お客様に「美味しかった」「ご馳走様」と言っていただくために努力を続ける。私は、そんなオーナーたちの姿を心から尊いと思っています。

だからこそ、「どうやったらこの大切なお店を守っていけるのか」を真剣に考えるようになりました。

飲食店専門の税理士になった理由

税理士の修行時代、東京に出店していたある飲食店を担当していました。
そのお店は、客入りも良く、利益もしっかり出ていたのです。

しかし、無理な多店舗展開による借入負担が重なり、手元のお金は徐々に、そして確実に削られていきました。

資金繰りが限界に近づいている事実は、社内の一部しか知りません。
日々の営業の忙しさに追われる中で、抜本的な対策が取られないまま、時間だけが過ぎていきました。

そしてある日、突然電話が止まりました。
社長の携帯電話もつながりません。

「これからどうなるんだろう・・・」
異常事態を察し、営業中だった店内でジワジワと押し寄せる不安と対峙していた従業員たちの姿は、今でも目に焼き付いて離れません。

利益が出ていても、お金が回らなければお店は終わってしまう。
私はその時、「過去の税金計算ではなく、今そこにあるお金の流れを見ること」の重要性を痛烈に知りました。

これが、私が飲食店専門の税理士になった原点です。

数字は「未来」を考えるために使いたい

一般的な税理士の仕事は、主に「過去の数字」を扱います。
過ぎ去った期間の売上や利益を集計し、税金を計算して申告書を作る。
それが毎日の業務です。

しかし私は、数字は申告書を作るためだけのものではないと思っています。
同じ数字を扱う仕事でも、それを「税金を払うため(過去)」に使うのか
それとも「手元のお金を増やし、お店の未来を描くため(未来)」に使うのかで
その価値は180度変わります。

私は数字を、あなたの技術と経営判断を支えるための道具として使いたいのです。

お金が残る飲食店経営とは

お金が残る飲食店経営の本質は、「手元資金を増やす仕組み」を作ることです。

これまで多くの飲食店の台所事情を見てきましたが、経営が苦しくなる原因は、単純な売上不足だけではありません。だからこそ私は、売上や利益の額に一喜一憂するのではなく、「手元に今、いくら残っているか」に目を向ける重要性を伝えています。

手元資金を増やしたいのであれば、「いかにお金に寄り道をさせないか」を考えることが肝心です。

  1. お金で食材を仕入れる
  2. それが価値ある料理となってお客様へ届き、売上として帰ってくる
  3. そして利益が手元に残り、次の仕入や投資へつながっていく

このサイクルをいかに早く、スムーズに循環させるか。それが、お金が残る経営のすべてです。

私が目指しているのは、オーナーであるあなた自身が、万が一病気やケガでお店をしばらく休まなければならなくなったとしても、慌てて新たな借入に走ることなく、どっしりとお店を維持できる状態です。

お金が早く戻り、無理なく手元に残る。
そんな仕組みさえあれば、突発的なトラブルが起きても、慌てる必要は一切なくなります。

あなたのお店は今、もしもの時に大切な場所とスタッフ、そしてあなた自身を守れる仕組みになっているでしょうか。

私が数字を扱う理由

正直にお話しすると、私は「税理士」という肩書きが欲しくて、この職業を選んだわけではありません。

たまたま数字に苦手意識がなかった私が、日々の営業に必死になっていて、数字のことが後回しになりがちなオーナーたちのお手伝いをしている。それが本当のところです。

だから、私にとって税金計算を終わらせることはゴールではありません。

数字は、お店の未来をコントロールするためのツールです。

  • 月次顧問で、現状の数字をリアルタイムに整理する
  • 資金繰り改善で、お金の詰まりをなくし流れを整える

これらはすべて、あなたの大切なお店を守り続けるための土台です。
私は数字という道具を使って、飲食店に関わる人たちが、お金の不安に振り回されず、前を向いて経営できる状態をつくりたいのです。

今日も仕込みをして、お店を開け、目の前のお客様に最高の料理と空間を届けているあなたへ。

飲食店の経営は、決して孤独な戦いである必要はありません。
あなたが命をかけて守っているそのお店を、1年でも長く続けていくために、私はこれからも、数字という確かな道具を使いながら、飲食店経営者の皆さまと向き合っていきます。

あなたのお店が、今日も、そして未来も、たくさんの「ご馳走様」と笑顔で満たされていますように。