飲食店で使える「中小企業省力化投資補助金」って何?

「日常」が戻りつつある飲食店においても、まだまだ多くの課題があります。

問題山積な飲食店を経営する中小企業(個人を含む)に対し、省力化製品(汎用製品)を導入するための経費の一部を補助することで
中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげることを目的として、中小企業省力化投資補助金が開始されました。

この補助金は、省力化製品の販売事業者と共同で申請します。

補助対象事業者とは

人手不足の状態にある中小企業などで、下記の状態を示す書類のうち一つを提出できる者

①直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。(指定様式あり)
②従業員が前年度比で5%以上減少している。(指定様式あり)
③採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった。

省力化製品とは

省力化製品については、中小企業省力化投資補助金のウェブサイトに掲載されている製品カタログから選びます。

飲食サービス業を対象とした機器カテゴリでは

  • 清掃ロボット
  • 配膳ロボット
  • スチームコンベクションオーブン
  • 券売機
  • 自動精算機

で、カタログに掲載されている機器を導入した場合のみ、補助金の対象となります。

補助率と補助上限額

補助対象 補助上限額 補助率
カタログに登録された製品等 従業員数5名以下 200万円(300万円) 1/2以下
従業員数6~20名 500万円(750万円)
従業員数21名以上 1,000万円(1,500万円)

補助上限額について

  • 事業場内最低賃金を45円以上増加させる
  • 給与支給総額を6%以上増加させる

以上の要件を満たした場合は、補助上限額はカッコ内の金額に引き上げられます。

「中小企業省力化投資補助金」申請の流れ

中小企業省力化投資補助金の第1回公募回のスケジュールは下記のとおりです。

・受付開始日:2024年6月25日(火)
・申請締切日:2024年7月19日(金)予定
・採択・交付決定日:2024年8月下旬予定

申請フローは下記の流れになっています。

  1. gBizID(法人・個人事業主向け共通認証システム)の取得
  2. 省力化製品の選択等の事前準備
  3. 交付申請
  4. 補助事業の実施
  5. 事業実績報告
  6. 補助金交付手続き
  7. 事業実施効果報告

詳しくは、こちらをご覧ください。

省力化製品導入後

事業計画の達成状況(省力化の効果、賃上げの実績)の事業実績報告を行い、それに基づいて補助金額が確定し、補助金が交付されます。

さらに、補助事業終了後の5年間、毎年4月から6月までに効果報告を行う必要があります。

労働生産性の目標未達や人員整理、賃金の引き下げなどを行っていた場合、補助金の返還などを求められる点には注意してください。

最後に

中小企業省力化投資補助金の申請は、

  • 作成する書類が少ない
  • 提出する書類には、指定様式が準備されている
  • 単独申請ではなく販売事業者と共同申請である

等の理由で、補助金初心者にもおススメです。

ぶっちゃけ、gBizIDを持っていれば、導入する機器が決まりさえすれば、申請できてしまいます。
まずは製品カタログだけでもご覧になってください。

人手不足に悩む飲食店にとって、清掃ロボットや券売機の導入経費が補助されるのは、非常にありがたい話です。
店の課題解決ができる省力化製品を検討し、うまく補助金を活用して
生産性向上や人手不足の解消、賃上げにつなげて欲しいと切に願います。